ボールミル粉砕機の運用知識

ボールミルの運用について

ボールミル式の粉砕機の使用する際の運用知識や注意点をまとめました

ボールミル式の粉砕機

ボールミル式の粉砕機は投入した粉砕する原材料をポットの中で金属やセラミックなどのメディア(硬質ボール)をぶつけ擦り合わす事で粉砕します。

1.条件(投入比率、回転速度、回転時間)

粉砕は密封したポットを外からの回転運動させて解砕しますので実作業においては、原材料とメディアの投入比率、回転速度(回転数)、回転時間など、メディアの大きさや材質、原材料によっては熱対策などの適切な設定が必要になります。

2.効率的な運用と注意点(ポットミルの特性、粉塵・コンタミ対策)

ポットは粉砕という破砕に耐えるために、肉厚が厚くもしくは強度の高い素材または両方の性能を持つように作られているので、重量が重く、持ち運びだけではなく機械へのセット、原材料の投入・排出において効率運用するポイントがあります。

さらに原材料は、粉砕することで一定の粉粒体に解砕することができますが、同時に一部がは非常に細かい粉体ができます。

粉砕後の排出時には、粉塵やメディア自体の摩耗によるコンタミの混入の可能性もありますので注意が必要です。

3.安全性(作業者への負担軽減、環境の確保)

ポットは空の状態でも大きさの割に重いのですが、投入後はさらに重く積み下ろしや排出の際は作業者に負担がかかりやすく、事故も発生しやすくなります。

それから作動中は他の機械と同様に接触や巻き込まれなどに注意が必要です。

エイシン製ボールミル粉砕機の運用知識

卓上ボールミルでローラーの回転数から容器の回転数を算出するには

卓上ボールミルの特性

円の中心と円の外周:
ボールミルはポットの丸が回転するように駆動させて内部で粉砕します。卓上ボールミルは、ほとんどボールミルがポットを円の中心にある駆動軸で直接回転させているのに対し、ポットの円の外周を2つのローラーによって回転させます。

ポットの外周により回転数が変化:
これによりポットの回転数は機械の回転数設定とイコールではなくなります。特にポットの直径が変われば、機械設定が同じ回転数ではポットの回転数が変化します。

回転数は計算でもとめる

考え方:
ローラーと容器が触れ合って回るとき、お互いの「進むスピード(周速)」は同じになります。これを利用すると、容器が1分間に何回転するかを簡単に計算できます。

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計算式:
(①ローラーの直径÷②容器の直径)×③ローラーの回転数=④容器の回転数

具体例:

ローラーの直径:40mm
容器の直径:300mm
ローラーの回転数:1分間に540回転(540rpm)

答え:
(40mm÷300mm)×540rpm=④72rpm

実際の回転数:
ローラーと容器はギアの様にカッチリと噛み合っている訳ではないので計算より少ない回転数になる傾向がありますが、滑りが出ないように適切な容器サイズ・重量・回転数を設定することで安定させることができます。

ボールミルの充填率による粉砕比較

ポット内部の充填率による変化

ポット内の動きと結果:

中身の量(充填率)中のボールと材料の動き粉砕の状態
少なすぎる場合ボールと材料が底の方で「ズリズリ」と滑るだけの動きになる
ボールが上まで持ち上がらず落ちてこないため、ほとんど砕けないため効率が悪い
適正な量の場合ボールがしっかり上まで持ち上がり、上昇後に勢いよく落下する本来の正しい動きになり、材料を細かく砕くことができる

効率的な粉砕には3分の1の比率

材料:1/3

ボール:1/3

空間(空きスペース):1/3

上記比率を適正な回転数で稼働せることでスムーズに粉砕が可能になります。

【テスト紹介】ボールミルで木片の粉砕と温度変化

内容:木材を香りの損失を抑えるながら粉砕できるのか?

使用機材:ポット(陶器)/ボール(アルミナセラミック)

対象:乾燥した木片

結果:

粉砕時間1時間2時間3時間4時間
温度28.7℃31.8℃33.4℃33.9℃
開始からの上昇温度+4.9℃+8.0℃+9.6℃+10.1℃

解説:対象の木材の場合1時間ではまだ木繊維が残っていたが、2時間後には全体が粉末化し、3・4時間後には更に微細な粉末になった。温度変化から確認できることは木片が粉砕される過程では温度上昇がみられるが、粉末化後は上昇は緩やかになりました。

ボールミルに入れるボールの数の計算方法

ボールを入れる量の基本ルール

ボールミル(材料を細かく砕く容器)に入れるボールの量は、「容器のボリューム(容積)の3分の1」が基本です

比率の内容:ボール1/3・砕きたい材料1/3・すき間の空間1/3

球体のふしぎ「かさ比重(かさひじゅう)」

Q:同じ素材でできた「大きいボール」と「小さいボール」、同じ形状の1リットルの入れ物にぴったりすき間なく詰めたとき、どちらが重くなると思いますか?

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A:答えは理論上では、「どちらも同じ重さ」になります。

なぜ?:

① 大きいボールは1個あたりは重いけれど、箱に入る個数は少ない。

② 小さいボール1個あたりは軽いけれど、箱に入る個数が大きいボールより多い。

③ 結果、どちらも箱の「約74%」がボールで埋まり、「約26%」が空気のすき間になります。

解説:このように、バラバラに詰め込んだときの「1リットルあたりの全体の重さ」のことを「かさ比重(かさひじゅう)」と呼びます。ステンレスのボールだと、1リットルあたり約4.4kgになります。

ボールの個数を計算する手順

全体の重さとボール1個の重さが分かれば、割り算で個数が出せます。

公式:全体の重さ ÷ ボール1個の重さ = ボールの個数

例(15Lの容器の場合):

①必要なボールの体積を出す 15L ÷ 3 = 5リットル(3分の1ルール)

②ボール全体の重さを出す ステンレスのボールは1リットルで4.4kg(4400g)なので、5(リットル) × 4400g = 22,000g

③個数を出す もし使うボールが1個「4g」なら、22,000g ÷ 4g = 5,500個

まとめ:ボールの個数を知りたいときは、以下の3つのステップで計算できます。

① 容器の3分の1のリットル数を計算する。 

② それが何グラムになるか計算する(1リットルあたりの重さをかける)。

③ ボール1個のグラム数で割り算する。

ボールミルでも粉砕できない、向かないもの

素材自体もしくは組み合わせによっては粉砕が難しい

紙:
紙は薄く繊維質で緩衝材にも使えるような柔軟な素材であるので粉砕不能です。

ナッツ:
豆類のナッツなどのは、ある程度の粉砕は可能ですが、細かく粉砕しようとすると染み出した油分で塊になり粉体化は困難です。

ボールミルのローラー幅の適正な間隔設定

ポットのスリップ(空回り)対策

ローラーの幅が狭すぎる:
2本のローラーが近すぎると、ポットを支える面積が小さくなり、しっかり接触できません。その結果、ローラーだけが虚しく回り、ポットがその場で「空回り(スリップ)」してしまいます

ローラーの幅が適切な場合:
ローラーの幅を少し広げてポットに合わせると、ポットがしっかりと2本のローラーに乗り、安定します。摩擦がしっかり伝わるため、空回りせずするに回転します

粉砕機の選定・導入をご検討中の方へ

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